アンコール・ワット

無計画で自在な旅を自任していても、必ず行きたい場所がある。

その1つがアンコール・ワットであった。繁栄を極めたクメール王朝の夢の跡。

日の出を見るために朝5時からトゥクトゥクでアンコール・ワットに向かった。

チケット売り場に着いてみて驚いた。もう既にかなりの人が列をなしてチケットを買い求めていた。

身分証明のための写真が入ったチケットを受けとる。一日券が37ドル。一食1ドルで済ませられることを考えると、この値段設定はかなり強気だ。

カンボジアにはリエルという独自通貨があるが、USドルも併用して使われている。街中でもリエルとドルでの値段が併記されている。

アンコール・ワットに朝日が昇る

闇の中から、有明と共にアンコール・ワットが浮かびあがってくる。いよいよ朝日が昇る。池の水面にも遺跡が投影される。「ワッ」という歓声が上がり、一斉にシャッターが切られる。

カンボジアがいかに分断され、人々が傷つけ合い、バラバラになっても、カンボジア人の根底にはクメールの誇りであるアンコール・ワットの姿があった。

そうして国旗にもあるように、このアンコール・ワットの元で、恩讐の彼方に新たなカンボジアを作ろうとしているのだ。

感慨が潮騒のように押し寄せてきた。クメールの栄華が千年の命として、僕の心に訴えかけた。

アンコール・ワット自体はそれほど広くない。ただその周囲の遺跡も含めるととてつもない広さになる。

全ての像が異なった表情をしている

12世紀末に着工されたというアンコール・トムには人面が象られた塔が立っている。観音菩薩を表しているとされ、表情の数は100を越える。

開襟シャツを着た男がアンコール・トムの案内をしてくれた。善意でやってくれているのだと思っていたけれど、案内が終わった時に金銭を請求された。

恵まれない子どものための募金だという。貧乏旅行だったのだが、可能な分を差し出した。想定していたより少なかったのか露骨に嫌な顔をされた。

この遺跡の地下部分には顔の部分が略奪されて存在しない仏像があった。

ポル・ポト時代に行われた破壊行為だそうだ。他の遺跡でもこのように破壊された所があった。

各国とカンボジア政府が協力して修復を行っていた。アンコール・トムは日本が修繕を手掛けていた。

ポル・ポト時代の負の傷跡は確実に残っていた。遺跡の間のストリートでは地雷で手や足を失った人が楽器を演奏して、募金を求めていた。

こういった光景はカンボジアで珍しいものではなかった。例えば街中のパブストリートでも見た。

全ての遺跡を見るのに6時間以上を要した。まとめていくつかの写真を挙げる。

昼からはトンレサップ湖を小さなボートでクルーズした。夕日が水平線に消える瞬間を見ることが目的であったが、その前に、残念ながら雲に隠れてしまった。

トゥルン・サップ湖の落日

第8話 「越南記」

https://dokushoplacecom.wordpress.com/2018/03/18/越南記/?preview=true

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アンコール・ワット」への4件のフィードバック

  1. こんにちは。
    僕も学生の頃カンボジアに行きました。
    アンコールワット懐かしいです(僕が訪ねた2012年頃は補修工事で緑のカバーがかかっていましたがwww)。
    S21のような跡地は今でも僕たちに生々しい痕跡を遺してくれていますね。
    これを現地の方々は負の遺産と捉えるのでしょうか。それとも未来へジャンプするためのしゃがみと捉えるのでしょうか。当時は尋ねてはいけないと思って聞けなかったんですよね……。
    トゥクトゥクは今でも1ドルとかから乗れるのでしょうか。カンボジアの方々は大らかであまり商売っ気が無かったように記憶しています。もう一度行ってみたいなぁ……。働き始めるとなかなか訪問することは出来ませんので、こういう所は行ける内にもっと行けば良かったと思う次第でございます。

    1. コメントありがとうございます。
      2012年頃と比べるとアンコールワットの入場料(現在37ドル)はだいぶん上がっているのではないでしょうか?
      S21とキリングフィールドはカンボジアの旅の中でも深く記憶に残っています。
      あれを見た後には全てのコトが意味を失うようなとてつもない虚無感に襲われました。
      そのことも含めて新しい記事を書いています。読んでいただけると嬉しいです。またコメントをいただけるとさらに嬉しいです。
      トゥくトゥくは1ドルで乗ることが出来ました。物価は観光業を除いて、かなり低いと思います。

  2. はじめまして(^^♪
    10年前にカンボジアに行きました。
    仕事で行って、手配などは自分でやってないので、わからないのですが、貧富の差が激しいなという印象を受けました。
    物価は確かに、とても安かったと思います。
    民家にも行きましたが、その集落の人達が大人も子供もみんな集まってきてしまったのですが、子供たちのきらきらした純粋な目が印象的でした。

    1. はじめまして!!
      コメントありがとうございます。
      カンボジアに行かれたのですね!!!
      10年前のカンボジアの姿が気になります。
      貧富の差は本当にあるなと思いました。
      東南アジアの他国と比べても経済的な面ではこれから発展する国なのでしょう。
      本当に子どもが多い国ですよね。その意味でも将来の発展が楽しみです!!

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