To 青森

自転車のサドルは朝露で濡れていた。走り出すとひんやりとした朝の空気が僕を包んだ。昨日は夜の闇で気がつかなかった森林の緑も僕の心に心地よい風を送りこんできた。
自然の中にそこだけ人手が加えられたコンクリートの道をいく。岩手から秋田へと入ってしばらく走った頃、湯瀬という温泉郷が左手に見えた。散歩していたお婆さんに朝から入れる風呂を聞いてみると、丁寧にその場所までの経路を教えてくれた。値段は700円だと言っていた。いざ着いてみると700円では無く200円だった。僕の耳が悪いのか婆さんの滑舌が悪いのか。
500円得したような気持ちがした。温泉は弱アルカリ性で柔らかかった。四日間、風呂に入れていなかったので極楽だった。
僕が脱衣所で服を脱いでいた時に浴室から中島みゆきの「時代」を響かせていたおっさんと話をした。地元の人で携帯の金属部分の回収業をやっていると言っていた。
「けっこう儲かるのよ」
閑静な朝の温泉街に不似合いなスポーツカーで颯爽と去っていった。
その日は青森港まで走った。特筆して書くことは特にない。
青森で泊まったビジネスホテルは一泊2400円とビジネスホテルとしては安かった。
ベッドで寝転んでいるうちに眠っていた。起きると翌朝だった。

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